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タレントマネジメントスペシャリスト"まりあっち"のブログ。
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今年は2月から仕事が五月雨式に入ってきて、3月に入っても途切れず、なかなか時間を確定申告に充てられなかった。水曜納期の仕事を土日作業して繰り上げ、昨日と今日に分けて確定申告の作業。

 去年の今頃はメンタルが今ひとつ調子出なくて、確定申告の数字をうまく整理して出せず、適当にやっつけ仕事して、仕事でお世話になっている税理士さんに修正申告をつくってもらったっけ。

 今年はその数字を見ながらアップデート。数字の意味合いもつかんで申告書を完成することができた。1日遅れだけど書類は郵送なので受け付けられないことはないだろう。差額の納付もできたし。

 机の上の書類も少し整理できて、頭の中も少しすっきり。
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 書店でもサンデル教授の著書が平積み。

テレビに書籍と日本で一大ブーム ハーバード大の講義「正義」授業の魅力
米国の名門ハーバード大学の講義が、日本でもNHKテレビで放映され「ブーム」になっている。
マイケル・サンデル教授の「正義(Justice)」という授業は、毎回1000人を超える学生が出席し、同大学史上最多の履修学生数を記録。米国社会が抱える難問を取り上げ、教授と学生が熱い討論を交わす。世界各国から集まった多様な学生は、議論を通じて正義や倫理、哲学の問題に考えをめぐらせる。
日本でもテレビ放映後、関連内容の書籍が発売されると、たちまちベストセラー。哲学を主題とした「固い」内容だが、なぜ日本でも受け入れられたのか。

教授と学生で命の重みを徹底討論

 「暴走列車を運転するあなたは、このまま進めば5人をひき殺してしまう。だが列車を右にそらせば、そこにいる作業員1人を犠牲にするが5人は助かる。あなたならどうしますか」
ハーバード大の大講義室をぎっしり埋め尽くした学生たちに、サンデル教授はこう投げかける。いずれを選んでも「死」が避けられないという設定に、自分の倫理観は果たして正しいのかと学生は悩む。
代理出産、命の重み、富の再分配、同性婚――。授業で取り上げる題材は「正解」がないような難題ばかりだ。宗教観や人種の多様な米国の学生は意見もさまざまで、議論は熱い。サンデル教授は古典の哲学者の考えを引用したり、検証したりしながら学生に深い考察を促す。学生の一人は授業の魅力について、「正義というテーマを勉強するのに、本で読んで覚えるわけにはいきません。大勢で質疑応答を繰り返し、ものの見方や考え方を養うこの授業はとても重要です」と話す。
講義は全米で話題となり、大学側は初めてテレビによる「一般公開」に踏み切った。日本でも、2010年4月からNHK教育が12回シリーズで放映。NHK番組広報によると、「知的好奇心が刺激された」「哲学の抽象的な話を、現代の具体的な事象に置き換えて分かりやすく説明している」などとの声が寄せられ、急きょ再放送を決定。番組担当のプロデューサーも驚いたほどで、「難しい内容をじっくり考えたいという視聴者が増えたのでしょうか」と話した。

難解なテーマだからインパクト強い

5月には、講義内容を基にした書籍が出版された。都内の書店でも「コーナー」ができるほどで、初版からわずか1か月で20版を数える。出版元の早川書房編集部の担当者は、政治不信や長引く不況で日本社会に閉そく感が漂う中、「小手先ではなく、モノの考え方を根本から見直そうという人が増え、哲学や正義というトピックに魅力を感じたのではないでしょうか」という。
サンデル教授と十数年の交流がある千葉大学法経学部の小林正弥教授は、サンデルの本がここまでヒットしたのは、テレビで講義のビビッドな討論が放映され、視聴者に強く印象付けたことが影響したと見る。教授と学生が対話しながら授業を進めるスタイルは、日本の大学では新鮮だが米国では珍しいとは言えない。だが、「命や徴兵制、生殖医療といった哲学的深みのあるテーマを、誰もが真剣に議論していることにインパクトがあるのでしょう」。政治や社会が混乱する日本で、サンデル教授の授業内容に共感し、難解なテーマを必死に理解しようとする人が増えたのではと小林教授は考える。
8月にはサンデル教授が来日し、一般参加者を招いてハーバード大さながらの「特別講義」が開かれる。「サンデルブーム」はこのまま続くだろうか。小林教授は、今後ある程度は落ち着きつつも、確実にサンデル教授の「教え」は残るだろうという。「今回、サンデル教授の考えに触れた知識層に定着すると思います。政治家や法律家といった人たちに根付くことで、日本社会全体にも広がっていくでしょう」


 千人ほどの学生を相手に、問いかけ、学生の発言に応じて柔軟に進行するインタラクティブな授業、日本の大学教育しか知らない人には新鮮に映ったことだろうと思う。

 つい昨日アメリカから戻ってきたところだが、人事の専門家が1万人以上集まるシンポジウムでも、分科会では積極的に参加者の発言を促し、インタラクティブな発表を行うことが当たり前のようになっている。実務家であれコンサルタントであれ大学教授であれ、プレゼンと質疑応答をとりまとめる力は、日本でこの手のシンポジウムに参加した経験からすれば、おそろしく差が大きい。

 もっとも、日本の企業の場合、自社のノウハウを積極的に公開しないし、公開できるようなフレームワークやロジックに集約できない生臭さの部分に価値があるのかも知れない……(苦笑)。

 サンデル教授の白熱教室がヒットすることによって、日本の大学の授業の質や、ビジネスはじめいろいろな場面での発表やプレゼンテーションのやり方を改善しなければならない、という意識が芽生えて欲しいな。


関連記事
NHK教育『ハーバード白熱教室』
 今日は英語で視聴中。

NHK ハーバード白熱教室
番組概要

創立1636年、アメリカ建国よりも古いハーバード大学の歴史上、履修学生の数が最高記録を更新した授業がある。政治哲学のマイケル・サンデル教授の授業「Justice(正義)」である。大学の劇場でもある大教室は、毎回1000人を超える学生がぎっしり埋まる。あまりの人気ぶりにハーバード大学では、授業非公開という原則を覆し、この授業の公開に踏み切った。ハーバード大学の授業が一般の目に触れるのは、史上初めてのことである。

サンデル教授は、私たちが日々の生活の中で直面する難問において、「君ならどうするか?何が正しい行いなのか?その理由は?」と、学生に投げかけ、活発な議論を引き出し、その判断の倫理的正当性を問うていく。マイケル・ジョーダンやビル・ゲイツはその仕事で、すでに社会に貢献しているのになぜ税金を納めなければならないのか。また代理出産、同性愛結婚、人権など最近のアメリカ社会を揺るがす倫理問題も題材となる。絶対的な答えがないこのような問題に、世界から選りすぐられた、さまざまな人種、社会的背景を持った学生が大教室で意見を戦わせる授業は、ソクラテス方式(講義ではなく、教員と学生との闊達な対話で進められる授業形式)の教育の最高の実例と言われている。

世界の若き頭脳たちの堂々たるディベート能力、知的探求心、考える力など、世界最高レベルの知的エリートの能力は、私たちに強烈な知的刺激を与える。さらには、宗教、人種、貧富など複雑に入り組んだアメリカ社会の構図を読み解く糸口にもなる。また副音声による英語放送によって、今のアメリカの生きた英語を学ぶ絶好の教材ともなるはずである。


 平易な言葉で明瞭な発音、聴き取りやすい英語を話してくれる(ノートを取れるように言葉を切りながら話してくれるのところもいい)ので、政治哲学というとっつきにくい分野でもわかりやすい。そして、わかりやすい例でもって、深く考えさせる。学生たちとの質疑応答も自在にこなす。

 やっぱり、ひきこまれる。アメリカのトップクラスの大学の人気トップクラスの授業の質の高さを、目の当たりにできる。

 ディスカッション・ガイドと参考書一覧も番組サイトにある(入手できるのが放送後になるので予習はできないが)。

 授業の要旨をまとめた日本語のノートも提供している個人ブログもある。
ハーバード白熱教室ノート Top

 授業について敢えていえば、視覚も活用したツールが欲しいところだが……この教授のレクチャーならハンドアウトやパワーポイントのスライドなしでも、おつりが来るぐらい(つまり、学生に聴覚をとぎすませる環境に置くことによってレクチャーへの注意力を高めている……並みの教授のプレゼンテーション力では、こうはなるまい)完成度が高い。
 聴いたり話したりする機会から遠ざかると英語力がなまるので、PodcastでCNNやBBCのニュースを取り込めるようにした。

 CNNのトップニュース毎時2分を配信してもらう。むちゃくちゃ速いんだけど、集中力をもって聴き取るにはちょうどいい。

 高校生の頃、英語のリスニング力を強化しようとしてFENを聴き始めたんだけど、「ヨコスカ」とか「ミサワ」といった地名以外はまったく理解できなくて泣きたくなったことを思い出した……当時の中学高校での英語教育だけではリスニング力は身に付かなかったからなぁ。

 自分の体験では、LとRの違いとか、自分で発音できない音は聞き取れないし、固有名詞も含めて知らない単語は認識できないから、は単語力や文章理解力やいろいろな英語力が揃うまではリスニング力もなかなか身につかなかった。その代わり、今はちょっと英語から遠ざかっていても、2分も聴けば9割程度はわかる。

 より正確に言うと……「9割程度は瞬間瞬間に英語として聴き取れるが、聴き取ったものを逐語で再現できるほど記憶を保持しているわけではない。ただ、脳内でいちいち翻訳せずとも、聴き取った内容をおおむね日本語で理解している」というところ。

 今のリスニング力だったら、チャーリー・ツナもケーシーもアウルフマン・ジャックも、楽しめるかな?
 たぶんゼネラルエレクトリックの事例研究で聞いたことのある単語だったのですぐにわかったが、自分のボキャブラリーに定着してなかったのでメモメモ。

 スペースアルクより。

C-suite
【形】
経営幹部{けいえい かんぶ}レベル◆CEO、CFO、COOなど、経営を司っているレベル
C-suite senior executives
経営幹部{けいえい かんぶ}レベルの上級管理者{じょうきゅう かんりしゃ}

 去年から今年にかけて自民党政権が緊急雇用対策と称して打ち出した政策が余りにも杜撰だったので、こうなる予感はしていた。

職業能力開発協会で不正経理
国の委託で技能検定試験を実施している全国の職業能力開発協会で、およそ2億円に上る補助金などの不正経理があったことが会計検査院の調べでわかりました。このうち岡山県の協会では懇親会の費用などとして2400万円が不正に使われており、会計検査院は補助金を出している厚生労働省に対し、改善を求めました。


 就職活動支援のコンサルティングは民間企業への丸投げだし、職務能力を身につけようとする人に提供している学習プログラムは民間セクターの求人要件を満たす教育内容か・民間の教育機関と競争力のあるプログラムを適正なコストで提供しているか、はなはだ疑問だし……不正経理の温床となる環境要件があったと思う。

 先日、NHKの特番で、ハローワークで就職相談に乗る担当者が実は非正規雇用で、安い時給で中長期の安定雇用の見通しがないまま働いているという実態を知って、憂慮したのだが……その一方で、国民の税金や失業保険の負担費用がこれほどいい加減な使われ方をしていることに怒りを感じる。

 派遣切りなど失業して住居まで失った人たちが再雇用される能力を獲得して人並みの生活を送るために必要な費用を公的に負担することにはやぶさかではないが、その予算を飲食などに流用する公務員が全国にいることが、腹立たしい。使ったお金は国庫に返してもらいたい。

 たまには人事関係の話題。

「名ばかり管理職」は管理職ではない…マック訴訟が和解
 日本マクドナルド(東京都新宿区)が直営店の店長を労働基準法上の管理監督者(管理職)と見なして残業代を支払わないのは違法として、埼玉県熊谷市で店長を務める高野広志さん(47)が、同社に未払い残業代などの支払いを求めた訴訟の控訴審は18日、東京高裁(鈴木健太裁判長)で和解が成立した。
 同社が、高野さんは管理職ではないと確認し、和解金として、約4年半の残業代分など約1000万円を支払う。
 大手企業を相手に、現職の店長が「名ばかり管理職」の労働実態を訴えた訴訟は、原告の実質的な勝訴で終結。同様の「管理職」を抱える他の企業の労務管理にも影響を与えそうだ。
 高野さんは1987年に同社に入社し、99年に店長に昇格。その後も、早朝から深夜まで調理や接客を行い、残業時間が月100時間以上に及ぶこともあったが、店長は労基法上、残業代の支払い対象から除外される管理職にあたるとし、残業代は支払われなかった。
 1審・東京地裁判決は、高野さんについて、アルバイトの採用などの権限が店舗内に限られ、賃金などの待遇も不十分だったと指摘。「経営者と一体的な立場にある管理監督者とは言えない」として、約755万円の支払いを命じていた。
 同社は昨年8月以降、高野さんを含めた直営店の店長約1700人を管理職から外し、残業代を支払っている。
 日本マクドナルドの話「和解は本人にとっても他の社員にとってもベストだという経営判断をした」

 「名ばかり管理職」という言葉を産み出した訴訟が原告の実質勝利で終わったのは、労基法でいう管理監督職の範囲からして妥当だと思っている。

<精神障害労災>認定基準を見直し 「嫌がらせ」など追加
 厚生労働省は19日、仕事を原因とするうつ病などの精神疾患や自殺の労災認定基準を10年ぶりに見直すことを決めた。会社の合併や成果主義の採用、効率化など働く環境の変化を念頭に、ストレスの要因となる職場の出来事として「違法行為を強要された」「仕事で多額の損失を出した」など12項目を追加。09年度からの認定審査に反映させる予定だ。評価項目の増加により、労災が認定されやすくなるとみられる。
 専門家会議が19日、厚労省の原案を了承した。07年度のうつ病などの労災認定は268人(うち自殺81人)で、認定数は毎年過去最多を更新している。
 厚労省によると、現行の精神障害の労災は1999年に作成された「心理的負荷評価表」に基づき審査される。労働基準監督署が発病前6カ月に職場で起きた出来事を調べ、評価表に基づきストレスの強さを3段階で判定、業務上の労災かどうかを判断する。「退職を強要された」「(重大な)交通事故を起こした」などの出来事は最も強いストレスと位置づけられている。
 今回の見直しのうち「対人関係」については「ひどい嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」が最も強い強度のストレスに追加され、「部下とのトラブル」は軽度から中度の評価に変えられた。
 「仕事の失敗、過重な責任の発生等」では、「違法行為の強要」(中度)や「達成困難なノルマ」(同)などが新たに盛り込まれた。また「身分の変化等」では、「仕事上の差別、不利益取り扱いを受けた」の項目の冒頭に「非正規社員であるとの理由等により」を付け加えた。
 一方、評価する出来事を発症前6カ月に限定している点は今回変えられなかった。過労死・過労自殺問題に取り組む弁護士らは以前から「発症後の出来事も評価すべきだ」と指摘しており、論議を呼びそうだ。【東海林智】

 なかなか線を引きにくいところはあるかと思うが、パワハラやノルマ強要など仕事や職場の人間関係から起こる心身の問題を労災として認定する方向は正しいと思う。特に正規非正規を問わず雇用が縮小されてきた今のタイミングで方向性を示したことは重要なことだ。
 先週から最終回を楽しみにしていた。

判断の軸は“三角測量”で
~ルイ・ヴィトン ジャパン カンパニー プレジデント&CEO 藤井清孝氏(5)


司会、山中(以下Y) この辺で皆さんからご質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

Q 2つありまして、1つは英語のコンプレックスをどう克服されたか。もう1つはプロフェッショナルファームから事業会社に移られたとき、うまくマネジメントするために工夫されたこと、この2点をお願いします。

藤井 まず後半から言いますと、今コンサルティングファームにいる人に、「あなたにとっての一番の褒め言葉は何ですか」と聞いたとします。そうしたら(答えは)大きく2つあって、「すごいコンサルタントですね」と言われるのがいい人と、「うちに来てくれないか」と言われるのがいい人がいる。

 事業会社に向いている人は後者です。「うちに入って、それをやれよ」と言われるのは、私にとって最高の褒め言葉だった。ところが、「あなたはいいコンサルタントですね」と言われると、茶化されているみたいでね。「そっちにいる間はいいけれども、こっちに来たら使いものにならないね」と言われている感じがして。その感覚って大事だと思います。

 何が違うかというと、情熱だと思います。

 コンサルタントのいいところは、1歩下がって物を見るというスキルですが、いったん事業会社に行くと、1歩下がって物を見る社長は、従業員からすると迷惑なんです。

 根本的な態度として、「この会社で成功するまでは俺は絶対にどこも行かないぞ」という情熱をもって、この会社が売っているものが好きでたまらない、朝から晩までそのことを考えている人が社長にならないと。

 1歩下がっている人は経営企画の長で終わってくれればいいんだけれども、そういう人が社長になると、ひとごとみたいな発言が多い。数字を見るとかプレゼンはうまいんだけれども、いざとなると逃げられそうだと。こういう社長には人が一番付いてこない。頭がよければよいほど、そちらの墓穴を掘り始める人がいますね。

 あと事業会社では、社長は絶対1人でやったらだめで、自分のチームを作って、そのチームにいい人が入ってくるような会社にしないと、絶対うまくいかない。そのためにはまず情熱があって、そういう人に賛同して寄ってくる人が必要ですね。


 今、自分が関心あることにどんぴしゃりのQ&Aなんで笑った。

 つまり、勤め先の環境が事業部制に移行しつつあって、将来の事業部長候補を今から見つけて育てることが自分たちのミッションになる……だから、ここで事業会社の社長に合う人の資質の話をしているのは、なかなか参考になるし、自分でこうじゃないかと思っていたことに近い。

 最初の、言葉の問題は、私の場合はMBAに行ったりして、徐々にうまくなってきたんだけれども、1つ面白いと思ったのは、M&Aのトランザクション(一連の作業)として、リキャピタリゼーションというのがあります。これは銀行でお金を借りて、それを株主に特別配当して株価を上げるスキームです。

 その議論をウォール街で弁護士の連中としているとき、日本語でいうと詐欺譲渡ですが、「フロージュレント・コンベイアンスだぜ」とある弁護士が言った。「何のことだか分からない。この辺でネイティブじゃないと差が出るな。だめだな」と思って、ミーティングが終わった後、横のアソシエートに、「おい、どういう意味だ」と言ったら、彼も分からない(笑)。

Y なんだかぐっと気が楽になりますね

藤井 よく考えてみると、ネイティブでも分からないことがいっぱいあって、「これ以上はもう言葉の問題じゃないな」と思う時期が突然来たんです。

 もう1つは、私がよく使う例ですけど、皆さんゴルフをやられますか。ゴルフをやるときに、「あのホールまで約100ヤード」と感覚で分かりますよね。そのときに、100ヤード=130メートルだと思う人は誰もいません。ゴルフというのは全部ヤードの世界でしょう。ゴルフ場でヤードをメートルに換算している人はほとんどいません。

 言葉もそうなんです。要するに、「日本語で何ていうんだろう」と常に“換算”している人はうまくなれなくて、どっぷりと英語の体系の中で軸を作ってしまって、そこの中でしゃべれる人が、いろいろ英語での表現が分かるようになる。母国語の発想から離れられない人は最終的にはうまくならないと思います。


 そうですね、私もある時期から頭の中で日本語を英語に翻訳するのは止めました。ディスカッションする時も、考えている時は日本語で考えてますが、それを口に出す時は日本語から英語に翻訳するプロセスは取りません。

 というのは、日本語と英語は、一対一で言葉を置き換えられないから。英語のボキャブラリーと日本語のボキャブラリーは、脳の別々の倉庫に辞書になっていて、日本語から英語に翻訳するプロセスを取らないで、英語で何と表現するのが自分の考えを言葉にするのが一番近いかを直接探しにいく感じ。

 「よろしくお願いします」も、初対面の人に対しては「Nice to meet you」だし、事業部長クラスに依頼を出すなら「I would appreciate it if you could...」だし(仮定法過去を使って丁寧な表現になるようにしている)、社員に対して返事をお願いする時には「Thank you for your cooperation」と先に感謝してしまう表現になるし(協力してくれるとは限らない難しい案件の時や、事業部長クラス以上にお願いをするというニュアンスの時には使わないけど)、親しい同僚に頼りにしていると言いたいなら「I count on you.」でしょ。気持ちは同じ「よろしくお願いします」でも、相手に伝えたいニュアンスは違う、そこを英語で言わないと的確な表現にならない。

 前項の、ハイコンテクスト文化・ローコンテクスト文化の切り替えを計算に入れなければ、英語的な状況に合った言葉にならないということだ。日本語の発想を捨てろというのは、的確なアドバイスだと思う。
 依頼されているレクチャーのドラフトができあがった。日本のビジネス文化の特徴、仕事やキャリアに対する価値観の違いを踏まえた上で、どう育成に動機付けてきたか、というストーリー。
 話す内容自体は自分の得意分野だが、話す相手が日本だけでなくアジアパシフィックの各国で事業責任を負っている事業部長(出身国もかなり多様)なので、反応がどうかというところが楽しみでもあり不安でもある。

 日本と欧米、日本とアジアパシフィックのビジネス文化ということを考えていた数日間なので、この講演録は自分にすごくヒットした。

 読み物として講演録を読むだけで十分に面白い。頭脳明晰だし、ユーモアもあって喩え話もうまいし、メッセージが明確。

Road to CEO
ルイ・ヴィトン ジャパン カンパニー 
プレジデント&CEO 藤井清孝氏
(1) 自分で価値をつくっていかないと明日はない

(2) 日本のM&Aは「売り買い」ではない

(3) V9の頃のジャイアンツが強かった理由
司会、山中(以下Y)(中略)…… SAPに5年半いらっしゃる間、売り上げを3倍に急成長させました。いろいろな業種で、きちんと成果を出してこられる方は、経営の黄金パターンをお持ちじゃないか、と思うんですが。

 黄金の法則ナンバーワンは、「波があるところで波乗りをやる」ことです。いくら優秀な経営者でも、波がないところでは波乗りできません。それには運もありますし、波を察知するのもその人の能力です。例えば織田信長や豊臣秀吉、徳川家康というのがいっぺんに出てきたというのは意味がある。イタリアのルネサンスも同じだけど、時代が要請するとき、人がばっと出てくるわけです。

 そういう意味で、会社、業種を選ぶのは大事だと思います。オポチュニティーを察知する力ですね。事業の新規参入も同じです。自分がやったらどんな事業も成功するというのはあり得ないので、いい事業を選んで、いいマネジメントが付くから成功する。

 もう1つ、会社の文化はすごく大事。文化がしっかりしていると、いい人が集まってくる。マッキンゼーでは、できる人だって文化に合わない人はすぐクビになるんです。なぜかというと、必ずまた人が来るわけですが、いい人がその(文化に合わない)人に会社として人質に取られないようにするためです。

 いい人材を集める仕組みというのは小手先じゃできなくて、文化がないとできないし、そういう文化のある会社は非常に強い。(文化に基づいた)チームを作れる社長はものすごく大きな仕事ができます。

司会、秋山(以下A) 文化ってとても難しい言葉ですが、価値の基軸がはっきりしていて、それが社会に受け入れられる、という感じでしょうか。

 うん。それと、人を大事にするとかね。例えば、皆さんとは世代が違うけれども、私の育ったV9時代のジャイアンツは…今のジャイアンツみたいに、お金で大砲ばっかり採ってきた会社は、ものすごいお金がかかって、それなりの玉がごろごろいるんだけれども、勝てないね。V9のころって、常に同じメンバーで戦っている。そのときのメンツで、ほとんどの人はその後に監督になっているんです。

A 長嶋、王、森がいますね。

 そう。OBがほとんど監督になっているチームって他にないと思う。それだけ個々の選手でありながら、全体のチームを見られるだけのトレーニングを積んでいた。

Y なるほど。

 いい文化というのは根付くんです、人が辞めない。お金で採ってくると、もっと高く払う人に、その人を採られちゃうわけです。それは必ずコストが高くなるスパイラルに入っていきますからね。

 いいインベストメントバンクというのは高い給料は払うけれども、「こういう人は採らない」という暗黙の了解がある。ところが新興のインベストメントバンクは、「とにかくスターを採ってこい」と。全員給料が高いし、いろいろなカルチャーを持ってきて、なかなか統制がつかない。そのうち、新しい会社がその人を抜きに来ると、金で動いているからみんな必ず出ていく。そうすると、いつまでたってもカルチャーができない。


 まったくその通り。今回の自分のレクチャーのキモはまさしく、「金や昇進だけではいい人材は集まらないし育たない。働き甲斐とか成長する実感とか、目に見えないインセンティブを駆使して人を育てる文化をつくりましよう」だもの(^^)。

(4) 退路を断たねば、人も波も見えない
司会、山中(以下Y) 最初はマッキンゼーからスタートされてアメリカ企業、ドイツ企業、フランス企業と、次々国籍が変わってきていますよね。

 国ごとの違いは、非常にあるんです。ところがドイツの会社であるSAPに行ったときに、「俺たちはドイツ人だ。ドイツらしさで頑張ろう」と言う人は1人もいなかった。(フランスの)ルイ・ヴィトンの中にいても、「フランスらしさを世界に売りまくろう」と言う人は誰もいない。日本の会社は結構あるんです、「日本人の企業のいいところを分からせよう」とか。それは、非常に危険な考え方だと思うんです。

 例えばSAPは「いいソフトウェア、いいITシステムを効率よく使ってもらいましょう」、ルイ・ヴィトンは「夢を売りましょう」と、国境を越えた価値を言っている。ところが、「日本人らしさを売りましょう」と言った途端に、日本に興味がない人はばっと離れるわけです。その辺が下手だなと思う。

必要悪としてのアングロサクソン型市場原理
 フランス独特のラグジュアリー感覚、ドイツ独特のエンジニアリングカルチャーというのは、コアコンピタンスとしては絶対あるんですよ。ところがそれは、ドイツやフランスがコアコンピタンスじゃないんです。日本人はその辺を間違えている。

 日本人のコアコンピタンスって、顧客志向とか品質志向ですね。これを言うと、韓国人だってアメリカ人だって、「そうだな」と思う人は寄ってくるわけです。それを日本の特徴と言ってしまうと、日本が嫌いな韓国人は絶対入ってこない。グローバルで優秀な人材が集まらないグローバルカンパニーは絶対廃れるんです。

司会、秋山(以下A) 正しいですね。ただ、日本企業がもう一歩グローバルに行けない理由って、やっぱり言語の問題も大きいんでしょうかね。

 すごく大きいと思います。韓国や中国で元気のいい会社を見ると、だいたいトップは英語をしゃべります。特に中国は、アメリカの学校へ行っていた人たちが帰ってきているみたいな構図だから、アジア人でありながら、OS(オペレーティング・システム)はアングロサクソンに似ているんです。

 日本だけOSが違うものだから、昔はそれでも結構世界を席巻していたからいいんだけど、今となってはアジアの中でも特殊ですね、言葉だけじゃなくて、必要悪としてのアングロサクソン的な市場原理を分かっていない。分からなくても成功してきたというのはラッキーではあるけれども、これからどんどんハンディになってしまいます。


 ここが特にずきーんと来た。一方で日本市場や日本人の特殊性ばっかり言っていると、韓国や中国や東南アジア諸国出身のマネジャーが他国で活躍している状況で、日本人マネジャーが他の国で事業部長できるほど育っていない現実に突き当たる。

 「これからどんどんハンディになってしまいます」というひと言が、ひりひりとする。

 連載の最終回が楽しみ。

 私もアジアパシフィックのマネジメントチームと接点を持つことで、もっと日本人をグローバル環境に出す仕組みづくりのきっかけにしたい。
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プロフィール
HN:
まりあっち
性別:
非公開
自己紹介:
タレントマネジメント(人材開発・組織開発・パフォーマンスマネジメント・採用など)のスペシャリスト。
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