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タレントマネジメントスペシャリスト"まりあっち"のブログ。
 「座右の銘」と聞かれると、答えに悩む。あまり意識しないで来たからなぁ……(^^ゞ。

 強いて言えば、画家フランシスコ・ゴヤの作品名『俺はまだ学ぶぞ』か。

'I am Still Learning(Aun Aprendo).' カッコ内はスペイン語で、uの上にアクセント記号がある。

 学生時代に読んで印象に残った本のひとつが『ゴヤ』堀田善衛だった。18世紀から19世紀に移行する時代、フランス革命・ナポレオンによるスペイン侵略とレジスタンスの時代に生まれた宮廷画家ゴヤは、宮廷や貴族の注文を受けて作品を描くことから自己表現のために作品を描くことにスタンスを変え、近代画家の草分けとなった。晩年のゴヤは、スペインからフランスに亡命したのだが、白髪で腰が曲がった80代の自画像に「俺はまだ学ぶぞ」と題名をつけた。

『ゴヤ(1)スペイン・光と影』
『ゴヤ(2)マドリード・砂漠と緑』
『ゴヤ(3)巨人の影に』
『ゴヤ(4)運命・黒い絵』 リンク先はいずれもamazon.co.jp

 80歳にして、学ぶことへの強烈なバイタリティ。人材育成に携わる者として、ゴヤのその姿勢にあやかろうと、座右の銘はゴヤの言葉からいただいている。

 ちなみに、堀田善衛の『ゴヤ』からは、近代国民国家の先陣を切ったフランスの国民軍が他国を解放と称して侵略したこと、王制が続き近代化が遅れた被侵略国では最初は解放軍としてフランス軍を歓迎したものの、やがてフランス軍は抵抗派の非戦闘員も殺すようになり、抵抗運動は国土全体にゲリラ活動として広がった(ちなみに「ゲリラ」という単語はスペイン語で「小戦争」という意味で、この時に生まれた)ことを学んだ……という意味で、私の近現代国家観に影響している。

 詳しくはWikipedia「半島戦争(スペイン独立戦争)」の項を参照。この項に紹介されているゴヤの『1808年5月3日、プリンシペ・ピオの丘での虐殺』は、近代国民国家の創成期にすでに包含されていたネガティブな側面を描き、ゴヤ作品の中でも一番の傑作だと思う。

 こうして書いてみると、フランスが19世紀初頭にイベリア半島でやったことは、米国がベトナムや中東でやってきたことと、何ら変わらんなぁ……(嘆息)。
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