「野々村人事部長の歳時記」第2回、ふたたび研修を取り上げてくれたので読んだが、何だか自分の仕事と違うなぁ……。
野々村人事部長の歳時記
やる気が空回り?研修担当者のジレンマ
研修内容を決めるには時間がかかる。社内で新しい研修を始めようとすれば、現場へのヒヤリングから始まり、企画・開発を続け、納得できるだけの内容が決まるまでには半年から1年ぐらいはかかる。つまり、次の年の会社の経営方針が決まる前から、研修の計画づくりに着手しなければ、うまいタイミングで研修は実施できない。
確かに全社的なプログラムの準備には半年程度時間をかけたが、1年はかかりすぎという印象。もっとも、典型的な日本の会社だと、口を挟む役員・重役の数が多いのだろう。研修や教育は誰でも一家言あるというか誰でも何か言える分野だから、あれこれ言われて調整に時間がかかるのかな……。
正直、自分たちでできることには限界がある。ほとんどの研修を外部の研修会社やコンサルタントにお願いしているのだ。それでも、どんな研修をするか、そのラインナップづくりには工夫をし、結構充実させてきている。それはここにいるメンバーたちの地道な調査のお陰だ。それなのにそれが現場にはうまく伝わっていない。告知方法の問題なのか、それとも現場の意識が低いせいなのか。
会社の方針、経営陣とは足並みが揃わず、現場の上司からは嫌がられるのが研修と言える。その状況をなんとか抜け出すにはどうすればいいのか。
「研修」という枠の範囲で考えているからじゃないのかな。事業部なり部門のビジネスに直結する能力を上げるという手段のひとつとして研修があるのであって、まず研修ありきじゃない。
現場の問題解決を支援する方法として手段を提供する。その立ち位置に立ったら、準備に半年も一年もかけてられない。事業部や部門からオーダーをもらう研修は、依頼から提供まで長くて3ヶ月。
問題解決のための手段としての研修だから、参加者もおのずと決まってくる。出張が入ったりして欠席されることもないではないが、なぜこの研修が必要か、誰が参加する必要があるかをオーダーしてくれた事業部・部門と事前に合意しているから出席率が低くて悩むこともない。
【1】 野々村部長は武田顧問と一緒に経営陣に対し、現状の課題を率直に議論できる「場」を設け、理解・協力をあおぐこと。
【2】 課長は社内の知り合いを集めて、現場のヒヤリングをすぐに実施。
【3】 他の人事部スタッフたちは現在実施している研修の見直しをするポイントを整理する。また研修の日程決めも含めた今後の2カ月の全体のスケジュール、および、次回のミーティングまでの直近の宿題を整理して、ミーティングを終えた。
ここまで読んで、気が抜けた。経営陣と人材育成について意見を交わす・理解や協力を得るということは大事だが、ビジネスとのつながりが見出せない。
今後どういうビジネスを強化していくのか、そのビジネス戦略のためにどういう層でどういう人材が必要なのか、現有の人材と今後必要な人材との間にどれだけのギャップがあるのか、そのギャップをどう埋めていくのか(外からの採用・他部門からの異動・内部からの育成・など)、その手段のひとつとして内部人材にどういう職務経験をさせるか・教育を受けさせるか、というストーリーが見えないんだなぁ。
これだけのかちっとしたプロセスを自分もすべての事業部・部門と展開しているわけではないけれど、何のためにどうやって人材育成をしているのかという意識が、この2回の連載記事からは感じられない事例が続いているなぁ……外資と内資では環境が違うから人材育成の役割も違ってくるんだろうけど、読んでいて参考になるほどの記事なのかと首を傾げてしまった。
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