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タレントマネジメントスペシャリスト"まりあっち"のブログ。
野々村人事部長の歳時記
スキルだけではリーダーにはなれません~「HOW」よりも「WHAT」をつくる3つの視点
野々村さん、自動車メーカーの人材開発センター長を訪ねる

上田人材開発センター長: 「そう、自主や自立は大切です。ただ、本当の意味での自主・自立というのは専門知識やスキル、つまり『HOW』を身につけるだけではムリなんです。やはり『WHAT』を明確にできるようになること。リーダーシップの出発点は、何をしたらいいかを明確にする力です。自分たちはどうありたいのか、その達成のために何をするべきか、を自分で考えて部下にきちんと伝えていくことが、リーダーの一番大切な役割です。人や組織が動く方向や動機を与えるものです。WHATは経営者だけがつくるもの、現場の自分たちは運営のスキル、HOWを身につけていればいいという意識では、管理職は務まらないですね」

野々村部長: 「うーん。つまり、社員にスキル習得ではなく、厳しい変化を勝ち抜くための考え方や行動のクセをつけてもらうことね・・・。なるほど。ところで、どのようにWHATをつくる力を身につけさせているのですか?あ、やり方を聞いてしまいました。HOW病かなあ」

 と苦笑した。
 上田さんは笑いながら続けた。

上田・人材開発センター長: 「WHATをつくる力を身につけてもらうのに、以下の3つの観点から常に考えてもらうようにしています。

経営理念の実現のために、自分たちはどうあるべきか?
顧客や社会の要望や期待を満たすために、自分たちはどうあるべきか?
自分自身のありたい姿は何か?


 組織や自分のありたい姿をまず明確にすることから出発します。そして、それを実現するために何をするのかという具体的な課題にまで落とし込むようにしています。こうして考えるクセをつけるのです。スキルを磨くというより、変化に合わせて自主的に課題を発見し解決し続ける思考や行動を身につけるわけです。ありたい姿がはっきりすれば、社員は常にそれと現状のズレを探すようになります」


 ただ、この思考法を身につけるには、ある程度年齢というか脳の学習能力のキャパも考慮しなければならないと思う。個人差はあるが、30代半ばがひとつの区切りだと自分は思っている。特に営業系の経験から学ぶ思考力が固まってしまうと、"HOW"から"WHAT"を考える思考パターンは身に付きにくい。

 だから、自分の会社では、営業系の若手ポテンシャルに「何を考えるか」を考えさせる研修をその年齢層を対象に実施している。現実的には40才ぐらいでも受け入れているが、30才前後から35才前後がねらい目。

 それで売上が上がるというわけではないが、一年後に本社のマーケティング部門に異動した元受講生が「あの研修を受けて、自分の仕事の仕方が変わりました」と言ってくれるぐらいの影響力はあるようだ。
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