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タレントマネジメントスペシャリスト"まりあっち"のブログ。
ひきこもり29年目 親子の孤立「このままでは共倒れ」
平成とは 第1部:時代の転機 (1)8050危機
 平成とは、家族の姿が静かに、だが劇的に変わった時代だった。ひきこもる中高年の子どもを支え、老後を迎えても保護者の役割からおりられない。いま、そんな高齢の親たちが増えている。人生100年時代の新たな家族危機だ。

特集:平成とは
ひきこもる50代 80代親「お金なくなれば餓死かも」
 その86歳の男性は、補聴器をつけて最前列で熱心にメモをとっていた。

 元高校教諭。10月に東京都内で開かれたKHJ全国ひきこもり家族会連合会の全国大会に、福岡県から泊まりがけで参加していた。

 長男は47歳。ひきこもりはバブル経済さなかの1989(平成元)年から続き、29年目になる。「あと3~4年の命でしょうが、ひきこもりの解決を考えることが使命。できるだけのことをしてあの世にいこうと思っています」

 深刻さを増すひきこもりの長期・高年齢化。

 長男が心に変調をきたしたのは大学受験がきっかけだ。第1志望の国立大に不合格となり、不本意ながら別の大学に進んだものの、すぐ実家に戻った。以来、バブルの崩壊やIT社会の到来、大震災など、世の中が揺れ動くなか、社会との接点をほとんど持たずに生きた。アルバイトも続かなかった。

 男性の退職金も底をつき、「このままでは親子とも破綻(はたん)する」と思い詰めた。意を決し、4年前、息子を残し賃貸の高齢者住宅に妻(82)と転居。今夏から息子は1人で生活保護を受けて暮らす。

 男性と妻はいまも、受験時の親としての助言がよくなかったのではと悔い、息子の将来に胸を痛める。気をもむのは生活保護切り下げのニュースだ。「40代後半で経験もなければ企業も雇うはずがない。生活保護を打ち切られたら本当に行き場がない」

 まじめで高校の成績はトップクラスだった。「生んでくれてありがとう」。去年の父の日に届いたはがきを、幾度も読み返す。

 高齢者がいる世帯で「親と未婚の子のみ」世帯が、昭和の多数派だった「3世代」世帯の比率を上回ったのは2009(平成21)年。「派遣切り」が吹き荒れ、年越し派遣村が元日紙面のニュースになった年だ。生涯未婚率の上昇、雇用の不安定化など、平成に生じた問題が背景に折り重なる。

 「親がいなくなったら、どないなるんやろ」。京都府の80歳女性はうつむく。40代半ばの息子と2人暮らし。30歳を超えてからほぼ自宅にこもる。「僕をホームレスにするんか」「親やったら助けてくれ」。息子の言葉に追い詰められる。「できひん」と言うと「じゃあ殺してくれ」。

 女性は「市民の会エスポワール京都」(京都府)の交流会で苦悩を打ち明けた。「わたしらのような人がたくさんおるんやなと思って、少し救われました」。同会は40~50代のひきこもりの子と家族を支援するため今春から活動を始めた。代表の山田孝明は「家族だけの問題でなく社会問題だ。あえて『市民の会』と名づけた」と話す。参加者は予想を超す約140人に達した。60代から80代の親たちだ。

 「老老」でも「独居」でもない親子の深い孤立。80代の親と50代の子の世帯の困難という意味で、「8050(はちまるごーまる)問題」と呼ばれる。

(敬称略)

     ◇

 清川卓史

 48歳。編集委員。貧困問題、介護保険・認知症などのテーマを長く取材。
 私は今年、助けてあげられず、共倒れさせてしまった。もっと早く本気で取り組めていたらふたりとも死なずん済んだろうか、と今も自問する。
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ひきポス
『ひきポス』は、ひきこもり当事者や経験者の生の声を発信する情報発信メディア。ひきこもりや、生きづらさ問題を当事者目線で取り上げます。当事者、経験者、ご家族、支援者の方々へ、生きるヒントになるような記事をお届けしていきます。毎週金曜日更新。

ひきポスとは?
当事者や経験者の生の声を発信する


『ひきポス』は、ひきこもり当事者や経験者の生の声を発信する情報発信メディアです。ひきこもりや生きづらさ問題を当事者目線で取り上げていきます。

ひきこもりは「部屋から出たら終わり」と思われがちですが、そこからまた新しい困難が始まるというのが、経験者としての実感です。ですからひきこもりだけでなく、執筆者達の現在進行系で抱えている生きづらさもテーマにしていきたいと考えております。そして、見かけ上はひきこもってはいないけど、生きづらさを抱えている方にも届くコンテンツになれれば幸いです。


苦しみの闇に浮かぶ一筋の光に


私も以前、ひきこもっていた時期がありました。原因は様々あると思いますが、一番は自己嫌悪をこじらせきっていたんだと思います。

子供時代に安心できる環境がなく、自分の気持ちを押し殺して生きていました。そして殺しきってしまった。自分の中の本当の気持ちは姿を隠し、いつも心の穴に苦しんでいました。自分が嫌いで嫌いでいつも葛藤で疲れ切っていました。

他者との繋がりを理解できず、社会に表面だけ合わせるのも限界になり、ひきこもってしまったんだと今は思っています。

夏休みの宿題が一つも終わってない8月31日のような焦りと不安が毎日続く。そこにのしかかる絶望と無気力と苦しみ。先のまったく見えない暗闇の日々でした。

当時、自分と同じように「人生がうまくいかなくなってしまった人」がどうやって生きていくのか、そんな話を聞きたい読みたいと思っていましたが、そこにはたどり着けませんでした。

世界で苦しんでいるのは自分たった一人ではないのか。これほど苦しい思いはそうないです。同じような苦しみを抱えている人の情報があれば、もっと早くどん底の苦しみから抜け出せたかもしれない。

暗闇に浮かぶ一筋の光になるかもしれない。そんな思いがあるから当事者発信を続けています。

負の経験を価値にする

そうして、今まで「不登校新聞」や「ひきこもり新聞」を舞台に活動を行ってきました。

そこでは、自身のひきこもりや、生きづらさの経験を言葉にすることで、多くの人々に生きるヒントや、時には勇気をも与えられることを実感しました。

ひきポスによって、ひきこもりや生きづらさの経験は、隠すべきマイナスの経験などではなく、伝える価値のあるプラスの経験にもなるのだと、社会へ示していきたいと考えています。

当事者、経験者で作り上げるメディア

ひきポスは全員ひきこもり当事者、経験者で運営しています。月に一度の編集会議では当事者、経験者が集まり、記事のアイデアを練っています。私は、"弱さ"でつながるのは、苦しいことや暗いことではなく、むしろ楽しくて役立つことだということを気づきました。今後は社会の方も"弱さ"でつながることを取り入れていくのではないか、そんな予感さえもします。

またひきポスでは、ゆくゆくは記事を書いて頂いた方に原稿料をお支払する仕組みを作りたいと思っています。自分の書いた当事者経験が読まれ、評価されることで、書き手の心が軽くなる。さらに読み手の役に立つ。そしてそのことが評価されお金になれば、一石三鳥の当事者支援にもなります。

今まで活躍できなかった人が活躍でき、そして一人でも苦しい人が減る。そんなメディアに育てていきたいと思います。

今後、WEBをご覧になれない方のために冊子版を製作する予定です。創刊号の発売は2月15日を予定しております。

みなさまの温かいご支援を宜しくお願い申し上げます。そしてどうぞひきポスをブラウザのお気に入りに登録して頂き、時々覗きに来て下さい!

ひきポス編集長 石崎森人

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 引きこもりを抱えていた家族として有用な情報があれば今後紹介したい。
会社名に見覚えがあったので目を引いた記事。

従業員の半数がフリーターや引きこもり経験者、上場企業で起きた人材再生の奇跡
フリーター、引きこもり経験者ばかり
デジタルハーツで働く社員の素顔
 従業員の半数をフリーターや引きこもり経験者で占めるという、上場企業がある。

 ゲームなどの機器の不具合を探し出す(デバッグ)サービスを専門とする「株式会社ハーツユナイテッドグループ」の子会社である「株式会社デジタルハーツ」という東証一部上場企業だ(※2013年に株式会社デジタルハーツから持株会社体制に移行し、株式会社ハーツユナイテッドグループとして上場)。

 登録する従業員数は、約8000人。毎日約3500人が稼働して、ゲームのデバッグをメインに、バグ(不具合)を見つける作業に従事している。

 発売前の機密情報を扱うため、仕事は全国15ヵ所のラボと呼ばれる作業拠点で行い、在宅での勤務は禁止。クライアントのニーズに応じて、現場に出向くこともある。

 スタッフは、引きこもり状態にあった人などの未就業者が多い。長年ゲームなどの機器に慣れ親しんできた人ほど、バグを見つけるという真面目さと緻密さが要求される仕事に向いていたからだ。

 創業は2001年。宮澤栄一社長(現在は会長)がフリーターなど6人とともに、6畳1間で立ち上げ、ゲームのチェックの仕事から始めた。その後も、未就業者たちと出会って一緒に仕事をするうちに、「自分が持っていたオタクの概念を壊された」という。

「ゲーム好き集まれ!」と呼びかけると、月に250人くらいがまずアルバイトとして登録していく。

 アルバイトは時給制で、週1日からでもOK。いきなりフル雇用を求められないところが、引きこもり歴の長かった当事者にもマッチする。

 バグを多く見つけられる人は、契約社員、社員へと昇格できる。契約社員以上は社会保険に加入でき、有給休暇も社員と変わらない。社員の半数はアルバイトから昇格したという。

 雇用に当たっては、その人のバックグラウンドを重視しない。選考も年齢制限もない。条件は、身元保証人を付けることだけだ。身元保証人は親でもいい。機密情報を扱う責任ある仕事をするからだという。
 同社によると、これは雇用対策でもなく、引きこもり対策でもない。ビジネスとして雇用していたら、結果的に雇用者の半数がフリーターや引きこもり経験者だった。社会貢献をしようと思っているわけではなく、「戦力」として見ているのだ。

 後で障害を持っていることがわかるケースがあっても、障害者雇用の枠で募集することもしていないという。ただ、そういう当事者たちが働きやすい環境であるのは、「8000人のオタク集団」という武器が、この会社の強みだと認識してるからだろう。

ひたすらバグを見つける毎日
無口だった人がリーダーになっていく

周囲と協力しながらデバック作業に打ち込むなかで、社員たちは徐々に変わっていく
登録説明会に来た「働きたい」希望者には、門戸が開かれている。希望者は入社の手続きに入り、研修を受けることになる。

 研修は、ビジネスマナーや情報の取り扱いなどの内容。作業のOJTはチームの中で行う。チームは通常20人くらいで組むが、最初は目が届きやすいよう6人くらいの少人数から始める。チーム構成は、お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さんで、新人は末っ子として入る。それぞれの役割分担の中から子が独り立ちしていくという、高度経済成長期の会社のような「社員は家族」という懐かしい考え方も漂う。

 最初はうつむきがちで何も話さなかった人が、変わっていく事例も少なくない。いつもゲームやアニメを見ているような人が、やらなければいけない仕事を割り当てる役を任されたことをきっかけに、自分から積極的にお願いしたり、相談したり、自ら発信したりし始めた。コミュニケーションも増えて、チームのリーダーにまでなった。

 一方で、ひたすら黙々とバグ見つけることに喜びを感じる技術職もいる。それぞれ皆、特性は違う。

 やはりバイトから入ってチームのリーダーを経験したことのある女性従業員は、こう話す。

「何か指示を出すと、言われたことを完遂しようとひたむきに作業してくれる人が多い。でも、ずっとゲームをやっていると、そのことについては誰よりも詳しくなる。蓄えた知識を“みんなにも教えてあげて”みたいに誘導すると、他人に教えることに喜びを感じて話せるようになるし、責任感も出てくるんです」

 親が会社のパンフレットなどを持って帰っても、2~3年くらい説明会に来られず、会社に登録できても、急に休んでしまったり、1~2ヵ月来られなくなってしまう人たちもいる。

 ただ、会社としては、その人のバックグラウンドは知らないし、重視していない。従業員は、未経験のゼロベースからスタートする。そして問われているのは、多くのバグを見つけるために、いつまでもまっすぐで純粋でいることだという。

 肉体的な負担はあまりないものの、仕事は厳しい。たとえば、ゲームのコントローラーを細かくずらしていって、抜ける瞬間を見つけるため、ひたすら当たりチェックをしていく。

 忍耐力と集中力が必要とされるため、安易に入ってくる人は辞めていく一方で、バグを見つけることが好きになっていく人には向いているという。

「バグを見つけると、チームが喜んでくれるので、やりがいを見つけられます。最初は週1日しか来られなかった人が、少しずつ回数を増やせるようになって、今では毎日来られる人もいます」(同グループIR広報室・山岸美香室長)

働けるとは思わなかった子が
会社で管理職になれるなんて……
 志望動機は「ゲームが好きだから」という人が多い、入って来てもゲームの話ができるので、ネットワークが広がっていく。他にもミュージシャンや劇団員、雀士といった多様な人たちがいる。様々な背景の人たちが分け隔てなく、コミュニティをつくっている会社というところも興味深い。

 ラボを視察した人たちからは、皆がしっかり挨拶し、仕事を黙々とこなしているのを見て、「皆さん、真面目ですね」という声が多いという。挨拶は、「ゲームのスタートボタンを押すものだと思ってやりなさい」と徹底させている。

 家族からも、「働いていけるかわからなかったような子が、上場会社の管理職を務めているなんて」などと感謝の手紙や電話が寄せられたり、子どもの社会保険加入の通知を見た親が喜んで菓子折りを送ってきたりすることもあった。

「17年、情報漏えい事件も一度も起きていない。それだけ真面目な人が多い。責任感が強くて没頭しやすいという日本人的な特性が、このビジネスにマッチしていると思います。そういう点が、海外からも評価されているのです」(山岸室長)

 求人は、ウェブで「デジタルハーツ」と「アルバイト」と検索すると、随時行われている。

(ジャーナリスト 池上正樹)

 今年3月に亡くなった弟が、数年前に10年ぶりぐらいにアルバイトとして働いた会社ではないか。たまにしか声がかからなかったことに加えて、持病の腰痛が酷くなって、就業できなくなったのだが。。

 弟は自分なりに社会復帰を図ろうとしていたんだな、と、ほろり。

精神科医が見たひきこもりの現実
「ひきこもり」の定義とは以下のものだ。
①就労・就学していない。
②精神障害ではない。
③家族以外の他者との交流を持たず6カ月以上続けて自宅にひきこもっている状態。

「引きこもり」長期高齢化の陰で
一般に「引きこもり」とは、他人や社会と関わりを持たず、自立・自活しないで長期間孤立 (厚生労働省の定義では6カ月以上) している
引きこもりが日本で注目されたのは1990年代後半からだが、その総数は依然として増加傾向にあると筆者は考えている。この国の医療や福祉は、必ずしも引きこもり問題の改善に成功していない。自分から医療や支援機関に足を運べる、比較的症状の軽いケースについては、治癒や改善に至ることが多い。しかし、長期間孤立する「重篤」なケースについては、その多くがあまり改善しないまま40代、50代と高齢化の一途にあるとみられる。長期引きこもり当事者を抱える家庭では、暴力沙汰が生じたり、家族全体の思考や感情が麻痺(まひ)したりして、状態を悪化させてしまうこともある。
厚生労働省などの調べでは、引きこもりの約3分の1に精神疾患(統合失調症やうつ病など)、3分の1に発達障害、さらに残りの3分の1にはパーソナリティー障害(性格や行動、思考に偏りがあるために自分自身と周囲が苦しむ状態で、さまざまなタイプがある)などがみられるという。原因はさまざまだが、学校や職場でいじめを受けたり、「ネグレクト」により十分な愛情やコミュニケーションの経験を家庭内で得られなかったりなど、一種の虐待を受けた当事者が少なくない。
 

「当事者が語るひきこもりの気持ち:林恭子さん」
「ひきこもり就労支援、半数の自治体が断念」当事者や家族から疑問の声
 11月27日に産経新聞が報じたひきこもり就労支援、半数の自治体が断念 「新しい環境に拒否感」という記事に、当事者や家族から疑問の声が上がり、厚労省も困惑している。

 これは当初、厚労省が来年度の予算で概算要求している「社会的孤立に対する施策について~ひきこもり施策を中心に~」などの資料に基づき取材した内容と推測した。正確には、「就労支援」ではなく、生活困窮者自立支援制度に基づいた市町村での「就労準備支援事業」のことだ。

 同記事によると、<ひきこもりなどを対象に就労準備を支援する事業>について、福祉事務所を設置している全国の自治体(約900)の半数以上が断念していたことが11月26日、厚労省の調べでわかったという。

 事業を断念した理由も、<「利用ニーズ」に問題を挙げる自治体が一番多い。その中で対象者が「必要性を理解しない」(58・2%)が最多。次いで、「新しい環境に拒否感がある」(39%)…>だったとして、こう書き加えられていた。

<自立できなければ生活保護に移行し、社会保障費がさらに増大することが懸念されている。>

 いったい、「懸念」しているのは、誰のことなのか。

希望していても行けないのに、憶測で書かれている

 この1文に対し、さっそく突っ込みを入れたのは、他ならぬ「ひきこもり」当事者たちだ。

<生活保護を受け取れるようになることは、ひきこもりにとって自立の一つのかたちではないのか>

 フェイスブック上で、ぼそっと池井多さん(ペンネーム=50代)は、<この記事に異議あり>として、そう反発する。

 別の40代当事者も、フェイスブック上で、

<ほとんどのひきこもりの支援が「就労」前提の支援ばかり、行政は上から目線の支援ありき>

<情報も少ないし・ハードルも高い。当事者の意向なんて、ほとんど、無視。言うても、無駄の“空気”もあるから、当事者から、拒否されて当然です>

 などと批判した。

 一方、「今の(パワハラに遭って以来、戻りたいのに戻れなくなった)立場では、表だって発信できない」と、こっそり筆者にメッセージを送ってくれた30代の当事者は、「社会の偏見が私のような人間の居場所を潰している事を、もっといろんな人にわかって欲しいです」などと脅える。

 しかも、記事には、<自治体の中には経済負担を削減するため、約3割が「手当」として対象者に金銭を給付していることも判明>と記されていた。

「判明」という表現は、まるで対象者への手当の給付が問題であるかのようにも受け取れる。

 言うまでもなく、地域にひきこもる人が「支援」に辿り着くための唯一の手段は、交通費をかけて支援の場に来てもらうか、当事者たちの気持ちを理解できる支援者が自宅に訪問するしかない。とくに地方では、片道だけでも千円、2千円と身銭を切らなければならず、支援を受けたくても諦めざるを得ない人たちが数多くいる。そうした現実をどこまで想像できていたのだろうか。

 家族会唯一の全国組織である「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」のスタッフは、「実際は希望していても行けないのに、必要性がないかのように憶測で書かれている。たとえ拒否感があったとしても、まず必要性を理解してもらうことが専門家の仕事。拒絶する人の気持ちも十分に理解したうえで、どう受け入れてもらえる場をつくり出すかのほうが先決ではないか」と憤る。

 当事者たちや家族が指摘するように、利用すべき者が利用しなかったのだとしたら、支援事業が当事者の求めるものやそれぞれの実態に寄り添えておらず、支援の入り口ですれ違いを起こしている可能性があることを示唆している。事業の制度設計や支援の姿勢、方法に、何かしらの課題があるとみるのが、断念の理由から導き出せる結論であり、「生活保護への移行」や「社会保障費の増大」への懸念ではない。だから、この記事は破たんしているのだ。

自治体の「手当て給付」の対応は評価

 厚労省によれば、この記事は、同省の関連部署にはまったく取材しないで書かれていたこともわかった。

 記事の情報源は、6月8日の「社会保障審議会生活困窮者自立支援生活保護部会」の資料18ページに出てくる「就労準備支援事業を利用すべき者が利用しなかった理由」という設問だ。最も多かった「本人が希望しない」のうち、「必要性を理解しない」「新しい環境に拒否感がある」「参加のための経済的負担ができない」が上位を占めている。

 しかし、自治体が実施していない本当の理由は、同資料の17ページにあった。「就労準備支援事業を実施しない理由」という設問があり、「利用ニーズが不明」が37・9%で最も多かったのを始め、利用ニーズはあるのに「事業化しにくい」「事業介していない」と「事業化したいが予算面で困難」を合わせると、5割以上を占めている。つまり、本当の理由は、自治体の事業が、当事者のニーズに十分寄り添えていないことが調査で浮き彫りになっていたからだ。

 さらに、本来は利用してもらいたいのに、支援に結びついていない人や、支援に結びつけるまでに難しい人もいる。

 厚労省では、そういう調査結果が出ていることから、「来年度の予算要求の中で、就労準備支援の加算などで手厚い支給ができるよう、サービスに結び付けていきたい」(社会援護局)と説明する。

 なぜ、こうした重要な問題については触れられていなかったのか。そもそも、なぜ6月に公表された資料の中から、どういう経緯で今の時期に、「厚労省の調べでわかった」という書き方になったのか。

「記事にあった<約3割が手当を給付していることも判明>については、自治体に就労準備支援事業の制度外として対応頂いている。そういうニーズがあると思っているし、実際、部会の中でも同様の意見が出た。この自治体の対応は問題と捉えてなく、むしろ評価できると思う」(厚労省社会援護局)

 他にも、市町村向けに、第一次相談窓口である「ひきこもり地域支援センター」や、養成、派遣、訪問による支援等を行う「ひきこもりサポーター等養成研修事業」、居場所やプラットホーム構築などの「ひきこもりサポート事業」を補助していくメニューも予算調整中だ。これらは、いずれも「任意」の施策なのに、とりわけ「就労」だけに特化して、個人に問題があるかのようなトーンにすり替えられているのはなぜなのか。

当事者たちのニーズに耳を傾けるしかない

 近年、国の「ひきこもり支援」は、子ども・若者育成支援推進法.に基づく「就労」から、生活困窮者自立支援法を根拠にした「福祉」施策へと、大きく転換した。この事実は、自治体の現場でもメディアでも、きちんと理解している人が少ないように思う。

 背景には、ひきこもる子と親の高齢化が進み、親亡き後に残された子が、情報やノウハウのない中で課題を解決できずに生きていけなくなる事例が頻発していることにある。親子が80代(70代)と50代(40代)を迎え、「親子共倒れ」が懸念される、いわゆる「8050」(はちまるごーまる)問題だ。

 厚労省の方針転換も、これからは、個人や世帯の抱える複合的課題などへの包括的な支援などを通じて、1人1人の「生き方」の支援に重点を置こうとしている。
 
 これまで「ひきこもり支援」の窓口とされ、批判の多かった「就労支援」のサポステ(厚労省の地域若者サポートステーション)の対象からも、ようやく「ひきこもり」が外れた。

 地域でつながりがないまま、ひきこもる人たちが、再び社会に出たいと思ったときに、何が壁になっているのか。まずは、当事者たちから気持ちや意向を聞いて、施策に反映させていくことが急務となっている。

 ひきこもり問題に詳しい山本博司参議院議員(公明党)は、「地域共生社会の中で、受け皿を工夫しながら考えていくことが大事なのに、そういう認識やノウハウがなく、事業のことを行政も議員も知らない。何が市町村でできないのか、これから温かく見ていかなければいけない」と指摘する。

 過去のトラウマの影響による長期ひきこもり生活を経て、地方で就活を続けている30代の当事者は、こんな感想をメールで寄せた。

<ひきこもり支援は、まずは就職支援からではない。(就労準備支援事業の)断念とは、それが必要な支援にまだ至ってないという深刻な実態を物語っています。何より、当事者たちが何を必要としているのか、よく耳を傾けるしかない。それを踏まえ、支援を変える。または、就職支援に入る前段階の支援を増やしてほしい>

 この記事で言う「8050」問題、より具体的には実家に生活していた引きこもりの50代息子と80代の老母が共倒れし、相次いで亡くすという出来事を経た私には、もう引きこもりの自立を社会は支援してくれないかと暗澹たる気持ちになった。いや、むしろ対象者を50代まで引き延ばして欲しかった。なぜなら、メンタルを含む病気やコミュニケーション力などをこじらせて社会的に孤立してしまった引きこもりが社会に出て来られるようになるためには、家族の力だけではどうにもならないからだ。

 そして親が80代になって経済的余裕も精神的体力的な力もなくしてしまうと、引きこもり者は親の年金や資産や貯金にすがるか生活保護を受ける以外に生きる手立てがなくなってしまう。

 8050問題は、これからますます顕著になると思う。。
昨日納期のレポートを上げて、来週後半から次の週にかけて仕事のピークになるため、合間を縫って喪中欠礼ハガキ作業。文面をつくり、亡き家族の住所録データを自分の住所録データにマージして送付リストを更新し、文面と宛先を印刷し、投函。

 ふたりの家族を立て続けに亡くした年に経験した、ショック、悲しみ、怒り、後悔、自責、他責、憎しみ、脱力感、無力感、打ちひしがれた思い、言っても詮無いと知りつつ繰り返し沸き起こる感情、ノスタルジア、家族の中でただひとり生き残った寂しさ、これから何年何十年かわからない後半生をひとりで生きることへの寄る辺なさ、諦め、哀しみ、寂しさ、家族を責任として引き受けることからの解放、遺産の継承と再構築、社会とのつながりの再契約のありかたの模索、ひとり株式会社というフリーランスと自営業の狭間で残りのキャリアのあり方の模索、などなど、言葉にしても尽くせないこの一年。

 直系の近親が私ひとりになったので、喪中欠礼を出すのもこれが最後。そして、自分の気持ちも多分、年越しして立春を過ぎることでひとつの区切りをつけられる気がする。
親が他界「申請しないともらえないお金」最大7万円支給される制度もある
親が亡くなったとき、「申請しなければもらえないお金」があることは、ご存じだろうか。たとえば国民健康保険の「葬祭費」は申請がなければ1円も出ないが、申請すれば自治体によって1万~7万円が支給される。ファイナンシャルプランナーの井戸美枝氏が、「親が亡くなる前後に知っておきたいお金のこと」を解説する――。

親が亡くなる前に知っておきたいお金のこと
高齢化が進む日本。

9月17日に総務省が発表した人口推計では、90歳以上の人口が206万人、総人口に占める65歳以上の割合は27.7%と過去最高になりました。それにともなって亡くなる人も増えており、2016年度の年間死亡者数は約130万人でした。

読者のなかにも、親の健康状態を心配している方がいると思います。あまり考えたくないことですが、高齢であれば、たとえ今は元気でも、ケガや病気で突然倒れてしまうリスクがあります。すぐに亡くなってしまうこともあるのです。


写真はイメージです
本稿では「親が亡くなる前後に知っておきたいお金のこと」を3つ取り上げます。具体的には(1)葬儀のこと、(2)健康保険のこと、(3)年金のことです。

特に、(2)健康保険や(3)公的年金の手続きには期限がありますので、注意してください。また、こちらから請求しなくてはならないケース(未支給年金や払い過ぎた保険料の払い戻しなど)もあります。知らないと損をしてしまうかもしれません。

▼葬儀 親が互助会に加入しているのを知らずに大損
まずは(1)葬儀についてです。

「親が希望する葬儀の様式は何か」「仏教の場合、戒名はどうするか」「誰を呼ぶか」など、いくつか生前に確認したいことがあります。親と別居している場合には、お盆や年末年始などの帰省の際にぜひ話してみてください。

もうひとつ重要なポイントは「互助会に加入しているかどうか」の確認です。

互助会とは、冠婚葬祭を催している事業者が、積み立てや一括払いで、葬式や結婚式などにかかる費用を前払いする仕組みのことです。加入者の多くは、毎月1000円~5000円を支払い、20万~50万円程度を目安に積み立てているようです。積立金は、葬儀の費用の一部にあてられます。

互助会は公的なサービスではなく、冠婚葬祭の事業者に前払いする仕組みです。ただ、将来を不安に思って、かなりの人が互助会に加入しているようです。問題は、加入者の名義が故人だった場合、子供などの遺族が加入の事実を知らなければ、積立金がムダになってしまう点です。事業者が用途を制限しているため、互助会が提携していない斎場で葬儀をしてしまった場合、「積立金は使えません」というケースもあります。葬儀を終えてから解約しても、数万円単位の手数料が発生することが多いようです。

加入の有無を直接確認できない場合には、契約書を探すか、預金通帳などで定期的な引き落としがないかどうかをチェックしましょう。
最大7万円 国民健康保険から「葬祭費」が支給される
次は、亡くなったあとの手続きをみてみましょう。

親を亡くした後は心身ともに疲れていると思いますが、健康保険や年金の手続きには期限があります。家族と手分けをして進めましょう。


写真はイメージです
まずは(2)の健康保険です。

国民健康保険や後期高齢者医療保険(主に75歳以上の人が対象)では、被保険者が亡くなってから14日以内に「資格喪失届」を提出しなくてはなりません*。市町村によっては「死亡届」を提出すると、役所側で手続きしてくれる場合もありますが、いずれの場合も「健康保険被保険者証」(いわゆる健康保険証ですね)を返却する必要があります。

*亡くなった人が働いていて、「協会けんぽ」などの健康保険に加入していた場合は、勤務先が手続きをしてくれます。勤務先に連絡して、必要な書類があれば提出しましょう。

手続きは、亡くなった人の住んでいた市区町村の国民健康保険担当窓口で行います。個人のマイナンバーカード(もしくは通知カード)や、亡くなったことを証明する書類、届出人の印鑑が必要です。地域によっては必要のない書類もありますので、役所へ行く前に確認しておきましょう。介護保険証や高齢受給者証などもこのタイミングで返却できます。

▼埋葬費の補助は請求しないと支給されない
国民健康保険料は「前払い」の制度です。よって、亡くなった時期によっては保険料を払い過ぎていることがあります。払う必要のなかった保険料は「過誤納金」として払い戻されます。上記の「資格喪失届」の手続きをすると、後日「過誤納金還付兼充当のお知らせ」が届きますので、振込先などを記載して返送しましょう。そうしなければお金は戻ってきません。

また、あまり知られていませんが、国民健康保険や後期高齢者医療保険からは葬儀費用の補助として「葬祭費」が支給されます。金額は市区町村によって異なりますが、1万~7万円程度です。亡くなった人が会社で働いていた場合も、それぞれの健康保険組合から5万円を上限に埋葬費*が支給されます。

*被保険者に生計を維持されていた人が埋葬を行うと「埋葬費」として5万円、親族がいない場合は埋葬を行った人に上限5万円が支給されます。

ただし、葬祭費はじっと待っていても支給されません。受け取る側から請求の手続きをする必要があります。窓口は上記と同じ市区町村の国民健康保険担当窓口ですので、資格喪失届のときに一緒に手続きしておくといいでしょう。

請求には、埋葬をおこなったことを証明できるもの(領収書や会葬礼状など)、埋葬を行った人の印鑑、振込先の口座番号が必要です。
「年金受給者死亡届」を期限までに提出しないと……
続いて(3)年金の手続きです。

亡くなった人が年金を受け取っていた場合は、国民年金は14日以内に、厚生年金は10日以内に「年金受給者死亡届」を提出しなくてはなりません。手続き先は年金事務所または年金相談センターですが、後述する「未支給年金」の請求をする場合は市区町村の年金担当窓口でもOKです。


写真はイメージです
手続きが遅れると、亡くなった後も年金が支払われることになります。

時折、「死亡届を出さずに故人の年金を家族が受け取っていた」というニュースをみかけますが、不正に受給した年金は、年金事務所から返還をもとめられます。忘れずに手続きを済ませましょう。ただし、2011年7月以降、日本年金機構に住民票コードを登録している人は、原則として死亡届を出す必要はありません。

▼未払い分の年金をしっかり受け取る
年金は「偶数月の15日」に過去2カ月分が振り込まれます。後払いということですね。たとえば、4月15日に振り込まれる年金は、2?3月分の年金です。年金は亡くなった月の分まで受け取ることができ、3月1日に亡くなった場合は、2月と3月分の故人の年金を遺族が受け取ることができます。これを「未支給年金給付」といいます。

年金は後払いですので、この未支給年金は必ず発生します。手続き先は市区町村の年金担当窓口ですので、死亡届を出すときに手続きしておきましょう。なお厚生年金の場合、窓口は年金事務所や年金相談センターになります。

受け取ることができるのは、故人と生計を同じくしていた遺族で、受け取る権利は「配偶者」「子」「父母」「孫」「祖父母」「兄弟姉妹」「その他3親等以内の親族」の順です。

その他にも、高額な医療費がかかっていた場合は、高額療養費に該当する場合があるかもしれません。故人が個人事業主である場合、また収入が一定の金額を超えていた場合には、遺族が「準確定申告」をする必要があります。

拙著『身近な人が元気なうちに話しておきたい お金のこと 介護のこと』(東洋経済新報社)では、昨年親をみとった私自身の経験をもとに、親が亡くなる前にやっておいた方がよいこと、亡くなった後に大変だったことなどを記しました。参考になれば幸いです。

今年前半に続けて家族をふたり亡くしたのでこういう手続きには否応なしに詳しくなったと思う。ワンストップ対応を始めた革新的な市町村もあるけど、まだまだ多くは市区町村役場と国民年金事務所と厚生年金とそれぞれに対応しなければならないことが多い。少しでも、申請漏れによる損失がないように。。

亡くなってから、初めて母を夢に見た。しかも、亡くなった頃にかなり近い姿で。

 母を夢に見たのは、直近では家事事故で母が入院した直後。生死を危ぶまれた頃、実際の年齢より30年以上前の若い母の姿で、幼い私と弟が「入院したというのは嘘で、お母さんは若くて元気なんだ。バンザーイ」とはしゃぐ夢だった。目覚めて、夢と現実のギャップに、泣けた。

 今回も、弟が亡くなって1ヶ月もたたずに後を追うように亡くなった母を、せめてあと少し生きてくれていたらと切ない願望が見せた夢。

 家族ふたりを相次いで亡くしてひとりになってしまった打撃からやっと立ち直りかけてたんだけど……いや、少し泣けるけど、立ち直れなくなるほどの打撃ではない、かも……。
“年収400万円時代”に先手を打つ
「2020年には全世帯の6割が年収400万円未満になる」
こう予測したのは役所でもシンクタンクでもなく、消費者にとってはなじみが薄い食品卸の最大手「三菱食品」です。製品をみずから作り出しているわけでもなく、消費者に直接商品を売っているわけでもない卸売りの会社が、独自の調査・分析をもとに未来を予測している…、そんな情報を耳にして一体どのような未来を想定し、どんな一手を打ち出そうとしているのか、取材してきました。 (経済部 野口恭平)
年収400万円未満の世帯が6割超に?

一般の消費者にとってはなじみがないかもしれませんが、食品卸の会社とは、加工食品・冷凍食品・お菓子・酒などさまざまなメーカーから商品を仕入れ、スーパーやコンビニなどに販売する業態です。メーカーと小売をつなぐ重要な役割を担っていて、モノだけでなく情報も集まるのが大きな特徴です。

三菱食品は6年前に4つの会社が統合して発足した業界最大手で、そこで消費者の行動の研究を続けてきたのがマーケティング本部長を務める原正浩さんです。

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原さんは「東京オリンピックが開かれる2020年から先、将来、日本はどう成長しているのか漠然とした不安はあるが、2020年以降は400万円未満の世帯が過半数を超えてくる。未来はバラ色ではないというのが分析してみての肌感覚だ」と話しています。

会社では店舗での売り上げデータなどをもとに消費行動の分析をしてきましたが、10年ほど前からは主婦のヒアリングをしたりモニター家庭の冷蔵庫の中を定点観測したりするなど、独自の調査を進めてきたそうです。そうした調査の結果、浮き彫りになってきたのが「年収400万円未満(額面)」の世帯が年々増えてきているという点でした。

厚生労働省の国民生活基礎調査では、「400万円未満」は1994年には34%だったものが、2015年には47%まで増加していますが、原さんたちは高齢者世帯の増加、非正規雇用の常態化、未婚世帯の増加から2020年には「400万円未満」が60%を超えると予測し、こうした世帯を「ニューエコノミカル層」と名付けました。

“節約”、でも“こだわり”

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さらに原さんたちは、この2年間にわたって約6000人を対象としたアンケート調査やモニター約100人の食事の分析などを進めてきた結果、ニューエコノミカル層のある傾向が見えてきたと言います。

1つ目は「強い節約志向」です。アンケートでの声を見ると「外食はめったにしない」、「肉は基本的に買わない。特売の時に鶏肉は買う」、「スーパーのネットチラシで一番安い店を探す」など、日常での生活から出費を抑えようという意識を強く持っていることが伺えます。

2つ目は「こだわりを大切にする」ことです。例えば「スキンケア製品は自分らしくあるための砦(とりで)」、「健康のためトクホなど健康関連の食材は買う」、中には「夫の趣味のベンツは維持」という回答もありました。つまり、自由に使えるお金は少なくふだんは切り詰めているが、こだわりを大切にした消費行動を取るーーそれがニューエコノミカル層の姿です。

節約志向にあう商品とは

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このようなニューエコノミカル層が近い将来、日本の消費の中心になるとして、三菱食品では食品卸の立場から考えてどのようなアプローチが有効なのか、具体的な検討を始めていてます。

7月に開かれた取引先向けの展示会で、いくつかの案を初めて示しました。その1つが「規格外の野菜の有効活用」です。大きくなりすぎたり、形がよくなかったりと、通常の流通ルートでは販売できない野菜は、安く仕入れることが可能です。
そのうえでスーパーなどの店頭にそのまま並べるのではなく、土を入れた大きめのプランターを使って小さな農園風のコーナーを作り、その土の中に埋めて擬似的な収穫体験をしてもらうというアイデアです。地方スーパーの経営者からは、早速試してみたいという声もあがっていました。

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このほか関係者の注目を集めていたのが、肉を使わない「なんちゃって料理」。例えば「おふ」にかたくり粉をまぶして焼き肉のたれをつけて焼いた「なんちゃって焼き肉」。本来のものとは全く違う、価格も安い食材を活用するアイデアです。

展示会では、木綿豆腐を薄切りの肉で挟んで焼いた「なんちゃって厚切りステーキ」、高野豆腐に野菜ジュースを染み込ませて焼いたものを食パンで挟んだ「なんちゃってカツサンド」も紹介されていました。いくつかいただきましたが、確かに本来の肉とは味は違いますが、どれもおいしく、出費を抑えながら食事を楽しめるのではないかと感じました。

このほかキッチンなどの狭いスペースでも置けるバジルやパクチーの栽培キットなど、買うのではなく自分で育てることで節約につなげる商品なども紹介されていました。

三菱食品の原さんは「決して安売り競争やデフレを招きたいわけではない。しかし、節約志向に合致した価格は実現しつつ、どうすれば消費を盛り上げていけるのかを真剣に考えていかなければいけない」と話していて、会社では今後さまざまな商品や販売促進のアイデアを検討し、スーパーやコンビニなどへ提案を行っていく方針だということです。

東京五輪後を見据えた戦略を

足元の景気は「バブル期を抜いて戦後3番目の長さ」と言われたり、アルバイト・パートの時給が過去最高になったりと、統計などでは確かに堅調さが目立ちます。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、さらに景気もよくなっていくかもしれませんが、その先の成長戦略は見えていません。オリンピックまであと3年。その先を見据えた取り組みをどう進めていくのか、日本の企業に課せられた大きな課題ではないでしょうか。

野口恭平
経済部
野口恭平 記者
平成20年入局
徳島局をへて
電機・情報通信業界など取材
現在は流通・小売業界などを担当

年収400万円というラインにはとても思い入れがある。というのは、うん十年前、大学の入学金や学費免除の申請を出そうとして書類を読んだ時、申請条件のひとつが年収400万円未満だった。その時の思いを今形にすると「ということは、400万円収入がない我が家は中産階級じゃないんだな」ということ。
 ただ、当時の我が家と今の一般家庭と違うだろうことは、ひとつ、当時は父がひとりで働いて、母は専業主婦(内職を少しやるが家庭には入れていない)で、その構造だった。今はたぶん、父親が正規または不正規雇用で、母が不正規雇用で、ふたりの収入合わせて400万円未満ということじゃないかと思う。つまり、平均的な家庭が不正規雇用で食いつないでいるということ。
高齢世帯4分の1が貧困 「生活保護未満」独居女性は2人に1人 立命館大教授分析
 65歳以上の高齢者がいる世帯の貧困率は2016年時点で27・0%-。厚生労働省の国民生活基礎調査を基にした立命館大の唐鎌直義教授(経済学)の独自分析で、こうした結果が明らかになった。1人暮らしの女性は特に深刻で、2人に1人が生活保護の水準を下回る収入で暮らしている。高齢者世帯の貧困率は上昇しており、その背景について唐鎌教授は年金受給額の減少を指摘している。

 唐鎌教授は、全国約29万世帯を対象に所得や家計支出などを調べた16年の国民生活基礎調査のデータから高齢者世帯の所得状況を分析。平均的な生活保護費(1人世帯で月額約12万円と想定)に租税免除などの影響を加味し、生活保護受給者と同等の生活水準になる世帯年収を1人世帯160万円▽2人世帯226万円▽3人世帯277万円▽4人世帯320万円と設定。この基準に満たない世帯の割合を貧困率として算出した。

 分析によると、1人世帯の貧困率が特に高く、女性56・2%、男性36・3%。2人世帯でも2割を超え、高齢者と未婚の子の世帯は26・3%、夫婦世帯は21・2%だった。

 高齢者世帯全体の貧困率は27・0%で、以前まとめた09年調査の分析結果と比較すると2・3ポイント増加。この間、貧困世帯は156万世帯以上増えて約653万世帯に、人数で見れば1・3倍の約833万6千人になった計算だ。

「公的年金の給付額が低下」
 背景について唐鎌教授は「公的年金の給付額が低下したため」と指摘。国立社会保障・人口問題研究所の統計から割り出した高齢者1人当たりの年金受給額は「(直近の調査結果である)14年度は年間約161万8千円で、09年度に比べ14万円減っていた」と説明する。

 国民生活基礎調査は、1986年から毎年実施。全国から無作為に対象世帯を抽出し、回答結果から全体数を推計している。3年ごとの大規模調査の年は、子どもの貧困率も公表しているが、高齢者の貧困率については算出していない。子どもの貧困率は、平均所得の半分に満たない家庭で暮らす子どもの割合で、今回の分析はこの基準と異なるが、唐鎌教授は「子どもだけでなく高齢者の貧困も深刻。生活保護受給者は今後さらに増えるだろう。これ以上の年金引き下げはやめるべきだ」と強調した。

=2017/09/15付 西日本新聞朝刊=

 無理もない。専業主婦の第三号年金の支給額が絶対的に低い。
 父が生きていた時には国民年金と厚生年金合わせて月に25万円ほど支給されていた。うちは持ち家で家賃負担がなかったから、細々夫婦で生活していくにはそれでもまぁ何とか貯金を切り崩さずにやっていける年金額だった。
 父が亡くなって母ひとりが年金を受け取る立場になったら、半分近くまで減ってしまった。
 我が家の場合は土地の一部を月極駐車場で貸していたし、私が仕送りしていたので、月々赤字ながらも貯金を大きく減らさずに住んだ。年金だけで生活していたら、その中から家賃を払う生活だったら、貧困層に入ったであろうことは間違いない。

 私が年金をもらう時には75才まで我慢しなければならないのだろうか。

プロフィール
HN:
まりあっち
性別:
非公開
自己紹介:
タレントマネジメント(人材開発・組織開発・パフォーマンスマネジメント・採用など)のスペシャリスト。
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