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タレントマネジメントスペシャリスト"まりあっち"のブログ。
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 猪瀬直樹さんのコラム「眼からウロコ」、最新記事。

日本サッカーと欧州の違いは言語技術の差
言語を通じて論理的思考をぶつけ合う訓練が必要だ

 財団法人日本サッカー協会専務理事の田嶋幸三さんを都庁に招いて、5月27日に「『言語技術』が日本のサッカーを変える」と題した講演をしてもらった。「活字離れ」に関する有識者勉強会の5回目である。
(中略)
外国のスター選手の論理にお手上げ状態だった日本人監督
 しかし、Jリーグが発足して、海外からの選手が増えてくると、日本式の集団主義は成り立たなくなった。

「Jリーグが発足した当時、人気は一気に高まり、チーム数も14に増えました。ところが、日本人監督が率いているチームは、なんと全体の2割にしか達しなかったのです。

 その理由はいったい何か。


『日本人の監督は、自分のチームの選手たちを自身の「論理」と「ことば」によって説得しプレーさせる力が足りない』。私たちの眼には、そう映っていました。とくに、外国から招聘された綺羅星のようなスター選手たち──ジーコ(鹿島アントラーズ)、リネカー(名古屋グランパス)、リトバルスキー(ジェフ市原)……──が、彼らの鍛え抜かれた論理で意見をしてきたとき、日本人監督はまったくお手上げの状態でした。

 たとえば、外国人選手たちは『なぜこの練習をするのか?』と聞いてくる。彼らにとっては、練習には理由があるのがあたりまえ。ところが、日本人監督は説明ができないし、外国人選手から責められていると感じてしまう。それもそのはずです。それまでの日本サッカー界では、部長がいて、課長がいて、という日本的な年功序列体質と同様だったのですから」(田嶋幸三『「言語技術」が日本のサッカーを変える』光文社新書)

あらゆる場面で言語技術を鍛えていくことが大切
 日本人も、海外のクラブチームでプレーすることが多くなった。世界が見えてきたからこそ、日本人の言語技術の問題も見えてきた。このような田嶋さんの話には、学ぶところが多かった。

 言語技術というと、国語教科だけで子どもたちを教えていけばいいとイメージされがちだ。しかし、言語技術が必要なのは、体育、理科、社会、算数と、すべての教科におよぶ。あらゆる場面で言語技術を鍛えていくことが大切なのである。


 実はまったく同じことを、企業社会における日本人リーダーと欧米人リーダーの違いに感じている。

 部下にどういう成果を求めているのか、成果を出すために必要なプロセスをどう積み上げていって欲しいのか、プロセスを積み上げていくために求められる具体的な行動や能力は何であるか、どういう価値観を共有したいのか、問われて答えられる日本人リーダーがどれだけいるだろうか(皆無とはいっていない。が、比率として圧倒的に少ない)。

 昨日も人事関係者の勉強会で「グローバルに展開している日本企業で、海外法人で誰が何をやっているかを把握できていない。どんな人材がいるかも把握できていない」という問題が指摘された。これも言語化の不足が原因じゃないかと自分は思う。

 そのルーツをたどると、学校教育や子供の時からの学びの世界のパラダイムにあると思う。教師や親や監督やコーチは「教える」「指導する」という立場であり、子供は「教えられる」「指導される」という立場である。子供がどう学ぶか、その学びをどうサポートし、よりよい学びを得るためにどう触媒となるか、という視点がない。だから子供は自分で何を学んだかを言葉にする機会がないし、教える側が期待する言葉を正解として探す技術だけが発達するし、何を学びたいかという自主的な気持ちも芽生えにくい。

 企業社会に入ってから、Jリーグはじめプロのチームに入ってから、では、遅い。ましてや、「指導」する側、リーダーシップを発揮することが期待される側に立った時に、リードされる側がアイディアや創意工夫をもって取り組む環境をつくってチームをまとめるというリーダーシップスタイルを学ぶには、時間も手間もかかりすぎる。

 学校教育のあり方からして変えて欲しいのだが、何十年もかかる国家単位の話だ。とりあえず自分のやれる範囲で人材づくりの仕組みを何とかつくっていこうというのが、自分のタレントマネジメントのひとつのテーマだ。

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タレントマネジメント(人材開発・組織開発・パフォーマンスマネジメント・採用など)のスペシャリスト。
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