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タレントマネジメントスペシャリスト"まりあっち"のブログ。
無職弟に仕送り続ける母 「家族全員が破綻」兄の危機感
 きょうだいが少なくなり、社会的に孤立している場合もあります。家族は、どこまで支え合わなければならないのでしょうか。

 神奈川県の翻訳業の男性(51)の弟(47)は大学を出てから就職せず、在学中から同じアパートに住み、社会保険労務士をめざしている。だが、毎年あと一歩及ばない。無職で、生活は郷里の母(85)からの仕送りに頼る。

 1年ほど前、男性は電話で母に聞いた。「実際はいくら払っているの?」。母は「毎月12万円ぐらい」と答えた。

 父が亡くなってから、母はダウン症の姉(53)と2人で暮らす。弟への仕送りは実家近くで営むアパートの毎月の家賃収入10万円から出していると聞いていたが、たくわえを取り崩していた。母は「残っているのは定期預金の300万円だけ」と明かした。

 男性は弟に手紙を送り、冒頭にこう記した。《現状のまま続けると、全員の生活が破綻(はたん)するリスクが高い》

 それから、毎月の仕送り額を9万7千円とし、弟が50歳になる年度末で終えるという「通告」も盛り込んだ。

 男性も姉も弟も独身。弟を何とかしなくてはと思い立ったのは、男性にも経済的な不安があったからだった。

 国立大学の大学院で博士号を取得してドイツに留学。帰国後に研究職を志したがかなわず、10年前から大手企業の関連会社で契約社員として働いた。当時の年収は約600万円。だが、2015年11月に会社は突然閉鎖した。

 その後はドイツ語を生かしてフリーの仕事でしのいでいるが、収入は安定しない。ただ、仕送りには男性も出費して母の負担を減らした。さらに弟を扶養家族にして、社会保険料を肩代わりした。こうした手続きに必要な書類を手紙で催促しても、弟は指示した文書のコピーを入れた封筒を送ってくるだけ。弟には10年以上会っていない。

 「精神的に追い詰められているのではと不安になったり、『家族だから何とかしてもらえる』という甘えに腹立たしく思ったり。弟には生活保護を受給してほしいが、母は悲しむ。あと2年、私が頑張って待つしかない」

母の介護、手伝わない姉と弟
 神奈川県の女性(49)は、昨年6月から東京都内の療養病床に入院している母(81)を2週間に1度、訪ねる。「おうちに帰りたい」と訴えられるたび、胸が痛む。

 夫と中学生の娘と3人で暮らし、パートをしながら母を介護する。専業主婦で子どものいない姉(55)が埼玉県にいるが、介護を手伝うことはない。都心の実家で暮らす会社員の弟(47)は、身の回りの世話を母に任せきりだった。

 脳梗塞(こうそく)だった父を看取(みと)った10年前にも、介護疲れを訴える母を支えるため、幼子を抱えながら一人で駆け回った。夫は「なぜお前だけが?」といぶかる。

 昨年末、弟が困ったように聞いてきた。「俺のおせちはどうなるの?」

 女性は、ため息をつく。

 「母も、弟が一人で年を越すのを心配していたから、我が家に誘いました。でも母が逝ったら、私が弟の面倒を見るべきなんでしょうか」(高橋美佐子)

「きょうだいリスク」の共著があるジャーナリスト古川雅子さんの話 
 無職や未婚のきょうだいの将来を不安がる中高年層の声をまとめたのは、同世代間で格差が広がり、きょうだい間だけで解決できない状況が生まれているから。親が元気なうちは直視せずに済んでも、介護や死去などで一気に現実になる。家族で支え合うべきだという風潮は強いが、当事者を追い詰めないように、社会保障の観点でも議論すべきだ。

奨学金800万円重荷「父さんごめん」 親子で自己破産
奨学金破産
 2016年暮れの夜。携帯電話が鳴ったとき、男性(52)はハンドルを握っていた。家具販売の営業用の車を止め、東京で一人暮らしをする息子(27)の話に耳を傾けた。

奨学金破産、過去5年で延べ1万5千人 親子連鎖広がる
奨学金、進む回収強化 「あきらめればモラルハザード」
 「父さん、迷惑かけることになってごめん」

 大阪の実家から私立大の国際関係学部に通い、卒業して3年半。奨学金を返せず、自己破産するという。入学金30万円や毎年100万円の授業料、通学費などのため、計800万円余を借りた。機構の調査によると、大学でかかる1年間の費用は「私大・自宅生」で平均約177万円。

写真・図版
東京にいる息子は計800万円余りの奨学金を借りた。うち576万円は有利子で、大学卒業後は利息も上乗せして返してきた。大阪の父親は「入学した時はこんなことになるとは、想像もしなかった」と振り返る(画像の一部を加工しています)

 息子がいま働いているマーケティング会社の手取りは月20万円ほど。家賃などを除くと、奨学金を返す4万円が重い。機構に返還猶予を求めたが、年収300万円以下の条件をわずかに超えた。延滞が3カ月に迫り、「個人信用情報機関に名前が載りますよ」と告げられた。20年返し続ける自信がなくなった、という。

 「お前がええんやったら、しゃあない」

家計が苦しくても、「進学したい」という息子の希望はかなえてやりたい――。そう思い、日本学生支援機構の奨学金を借りた。「まさか、こんな形で返ってくるとは」。父親は戸惑い、自らも自己破産する道を選んだ。

 息子が大学に入ったのは09年春のこと。就職難の時代、せめて大学に進まなければ職業の選択肢は限られる。息子は進学を希望したが、男性はその数年前、当時勤めていた会社を辞めていた。経営が悪化し、給料が半分ほどに削られたためだ。その後も職を転々とし、1年ほど見つからない時期もあった。中学生の娘もいて、家計は苦しい。奨学金を借りてもらうしかなかった。

 息子が自己破産を申し立てた直後の17年3月、男性のもとに機構から1通の封書が届いた。

写真・図版
息子が自己破産手続きを始めたのを受け、大阪の男性のもとに届いた日本学生支援機構の通知書。「今後は連帯保証人様より返還していただきます」と書いてある

 〈あなたが連帯保証人となっている奨学金の返還につきましては、ご本人は支払不能の状態のため、返還していただくことはできません。今後は連帯保証人様より返還していただきます〉

 請求が回ってくることを告げる通知だった。でも、パートに出る妻と合わせた年収は300万円ほど。800万円はとても背負えない。4カ月後、息子に続いて自己破産した。

 「お金がなくても大学に行けるようにする奨学金が、こんな重荷になるなんて」

写真・図版
奨学金の返還誓約書。人的保証だと連帯保証人と保証人も署名する(画像の一部を加工しています)

 本人、連帯保証人と続けて自己破産したため、最後は保証人に請求が回る可能性がある。男性は時折、保証人になっている父(91)に連絡を入れる。年金暮らしで、資産と呼べるものはない。請求がいかないように、と祈る思いでいる。(阿部峻介、諸永裕司)

 奨学金(という名の学資ローン)借りて大学進学しても20年間返済し続けられることがどんどん難しくなっていく。連帯保証人になった親や祖父母まで自己破産リスクがある。
 そして、きょうだい共倒れのリスクまで。

 ますます生きづらい時代になったなぁ。。
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