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タレントマネジメントスペシャリスト"まりあっち"のブログ。
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 先週から最終回を楽しみにしていた。

判断の軸は“三角測量”で
~ルイ・ヴィトン ジャパン カンパニー プレジデント&CEO 藤井清孝氏(5)


司会、山中(以下Y) この辺で皆さんからご質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

Q 2つありまして、1つは英語のコンプレックスをどう克服されたか。もう1つはプロフェッショナルファームから事業会社に移られたとき、うまくマネジメントするために工夫されたこと、この2点をお願いします。

藤井 まず後半から言いますと、今コンサルティングファームにいる人に、「あなたにとっての一番の褒め言葉は何ですか」と聞いたとします。そうしたら(答えは)大きく2つあって、「すごいコンサルタントですね」と言われるのがいい人と、「うちに来てくれないか」と言われるのがいい人がいる。

 事業会社に向いている人は後者です。「うちに入って、それをやれよ」と言われるのは、私にとって最高の褒め言葉だった。ところが、「あなたはいいコンサルタントですね」と言われると、茶化されているみたいでね。「そっちにいる間はいいけれども、こっちに来たら使いものにならないね」と言われている感じがして。その感覚って大事だと思います。

 何が違うかというと、情熱だと思います。

 コンサルタントのいいところは、1歩下がって物を見るというスキルですが、いったん事業会社に行くと、1歩下がって物を見る社長は、従業員からすると迷惑なんです。

 根本的な態度として、「この会社で成功するまでは俺は絶対にどこも行かないぞ」という情熱をもって、この会社が売っているものが好きでたまらない、朝から晩までそのことを考えている人が社長にならないと。

 1歩下がっている人は経営企画の長で終わってくれればいいんだけれども、そういう人が社長になると、ひとごとみたいな発言が多い。数字を見るとかプレゼンはうまいんだけれども、いざとなると逃げられそうだと。こういう社長には人が一番付いてこない。頭がよければよいほど、そちらの墓穴を掘り始める人がいますね。

 あと事業会社では、社長は絶対1人でやったらだめで、自分のチームを作って、そのチームにいい人が入ってくるような会社にしないと、絶対うまくいかない。そのためにはまず情熱があって、そういう人に賛同して寄ってくる人が必要ですね。


 今、自分が関心あることにどんぴしゃりのQ&Aなんで笑った。

 つまり、勤め先の環境が事業部制に移行しつつあって、将来の事業部長候補を今から見つけて育てることが自分たちのミッションになる……だから、ここで事業会社の社長に合う人の資質の話をしているのは、なかなか参考になるし、自分でこうじゃないかと思っていたことに近い。

 最初の、言葉の問題は、私の場合はMBAに行ったりして、徐々にうまくなってきたんだけれども、1つ面白いと思ったのは、M&Aのトランザクション(一連の作業)として、リキャピタリゼーションというのがあります。これは銀行でお金を借りて、それを株主に特別配当して株価を上げるスキームです。

 その議論をウォール街で弁護士の連中としているとき、日本語でいうと詐欺譲渡ですが、「フロージュレント・コンベイアンスだぜ」とある弁護士が言った。「何のことだか分からない。この辺でネイティブじゃないと差が出るな。だめだな」と思って、ミーティングが終わった後、横のアソシエートに、「おい、どういう意味だ」と言ったら、彼も分からない(笑)。

Y なんだかぐっと気が楽になりますね

藤井 よく考えてみると、ネイティブでも分からないことがいっぱいあって、「これ以上はもう言葉の問題じゃないな」と思う時期が突然来たんです。

 もう1つは、私がよく使う例ですけど、皆さんゴルフをやられますか。ゴルフをやるときに、「あのホールまで約100ヤード」と感覚で分かりますよね。そのときに、100ヤード=130メートルだと思う人は誰もいません。ゴルフというのは全部ヤードの世界でしょう。ゴルフ場でヤードをメートルに換算している人はほとんどいません。

 言葉もそうなんです。要するに、「日本語で何ていうんだろう」と常に“換算”している人はうまくなれなくて、どっぷりと英語の体系の中で軸を作ってしまって、そこの中でしゃべれる人が、いろいろ英語での表現が分かるようになる。母国語の発想から離れられない人は最終的にはうまくならないと思います。


 そうですね、私もある時期から頭の中で日本語を英語に翻訳するのは止めました。ディスカッションする時も、考えている時は日本語で考えてますが、それを口に出す時は日本語から英語に翻訳するプロセスは取りません。

 というのは、日本語と英語は、一対一で言葉を置き換えられないから。英語のボキャブラリーと日本語のボキャブラリーは、脳の別々の倉庫に辞書になっていて、日本語から英語に翻訳するプロセスを取らないで、英語で何と表現するのが自分の考えを言葉にするのが一番近いかを直接探しにいく感じ。

 「よろしくお願いします」も、初対面の人に対しては「Nice to meet you」だし、事業部長クラスに依頼を出すなら「I would appreciate it if you could...」だし(仮定法過去を使って丁寧な表現になるようにしている)、社員に対して返事をお願いする時には「Thank you for your cooperation」と先に感謝してしまう表現になるし(協力してくれるとは限らない難しい案件の時や、事業部長クラス以上にお願いをするというニュアンスの時には使わないけど)、親しい同僚に頼りにしていると言いたいなら「I count on you.」でしょ。気持ちは同じ「よろしくお願いします」でも、相手に伝えたいニュアンスは違う、そこを英語で言わないと的確な表現にならない。

 前項の、ハイコンテクスト文化・ローコンテクスト文化の切り替えを計算に入れなければ、英語的な状況に合った言葉にならないということだ。日本語の発想を捨てろというのは、的確なアドバイスだと思う。
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タレントマネジメント(人材開発・組織開発・パフォーマンスマネジメント・採用など)のスペシャリスト。
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