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タレントマネジメントスペシャリスト"まりあっち"のブログ。
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 たまにはビジネス書以外の読書記録も。



 原典まで当たって読んではいないのだが、『源氏物語』は現代語訳2作と『あさきゆめみし』始めコミカライズされた作品を何作か読んでいて、たまに解説書も読む。

 自分の年齢もあるのかも知れないが、出自と美貌と知性に恵まれた王朝貴公子の恋愛譚である前半より、主人公光源氏が位人臣を極めた後の悲喜劇を描いた後半や宇治十帖の方が面白いと思う。特に、理想化された女性である紫の上が女三の宮の降嫁によってもたらされた深い悲哀の中に込められた「女の生き方はどうあるべきか」という疑問や疑念やら、得手勝手な求愛に翻弄される宇治十帖後半のヒロイン浮船の行き着く境地やら、さまざまな人生を通して人生観や恋愛観・結婚観や社会観を考えさせられる。

 本書の中では、作品の中での謎かけを謎解く形でいくつかのキーコンセプトが紹介されている。時代によって読まれ方が違うことを紹介しているところでは、王朝恋愛絵巻としての源氏物語以外の側面、たとえば仏教の教えの解釈的な部分だったり、宮廷政治の理想化された部分だったり、貴族社会の権力闘争だったり、さらに背景を理解できたと思う。

 ちなみに、恋愛小説として読む時に自分が一番面白かったと思う解説本は、これ↓。


 これ読んでしまうと、『源氏物語』は身分は高いけどダメダメな男どものカタログとさえ見えてしまう^_^;。特に宇治十帖の薫君なんか、アキバのメイド喫茶に通ったりアニメキャラに萌えたりする現代の男性たちによく似てること(汗)……現代の男性たちにも通じる特質が見いだせるというのが、『源氏物語』の古典たる所以だろう。

 菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)による『更級日記』には、自分にはいやらしい気持ちなんてありませんと断言する薫君に憧れる少女時代が描かれていたと思う。今の自分の年頃になると当の男君の言い分と行動の矛盾っぷりに「笑止!」なのだが(苦笑)、性欲をはじめとする様々な煩悩から離れた気高い男君を理想の男性と考える乙女心は、わからないでもない。
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